2023.08.20 リノベーション
リノベーションマンションの将来的な不動産価値を高めるポイントを解説!
既存の建物に改修を加えて間取りや機能を変更し、さらなる性能を獲得する手法であるリノベーション。住宅ではマンションに対して行われることもあり、本来規格的であるはずの空間をカスタマイズして個性ある住まいにすることが可能です。
そんなマンションのリノベーションですが、将来的に手放す可能性も考慮に入れて計画を立てることもポイントの一つです。生涯にわたって住むことを前提とする場合も多いものの、ライフステージや状況の変化から売却するケースもあり得るでしょう。そうしたときにはできるかぎり高い額の評価を受けて、納得の上で売りたいものです。
本記事ではリノベーションマンションについて、将来的な不動産価値を高めるためのポイントを解説します。
リノベーションマンションは不動産価値が下がりにくい?
まず、リノベーションマンションという物件はそもそも将来的な不動産価値が下がりにくいものなのでしょうか。
リノベーションを施していることからもともとは中古物件であり、それに費用をかけて改修してあることが前提です。従来よりも住宅性能を向上させることが施工目的の主眼とされますが、これらの要素が加味されて価値が維持されるものなのかという懸念があります。マンションに限らず、住宅や建造物の不動産価値については物件自体への評価の他に土地そのもの、つまり立地条件に関わるものが挙げられます。地価に変動はあるものの立地自体は当然変えられないため、ここでは建物本体に注目してみましょう。
結論からいうと、経年劣化などによって建造物の資産価値は徐々に下がっていくことを避けられません。
ただしリノベーションを施して内部を新築同様の造りにすることで新たな価値が生じるため、施工のタイミング次第で不動産価値の評価額が向上します。これはあくまでマンションの一室に対してリノベーションを行う場合を想定しており、仮に一棟全体が老朽化しているケースではこの限りではありません。
いずれにせよ、リノベーションマンションそのものに不動産価値が下がりにくい特性があるのではなく、新たな価値を付与できる可能性のあることを把握しておきましょう。
将来的な不動産価値を高めるリノベーションのポイント
以下に住空間としての評価につながる、代表的な3つのポイントを挙げました。
いずれもマンションだけに限ったことではなく、一戸建ての住宅にも通じる事項です。リノベーションの計画段階でこれらを念頭に入れ、将来を見据えた施工を行いましょう。
年齢層や家族構成問わず使いやすい間取りにする
まずは間取りの「使いやすさ」が重要となります。
そこに住む人の年齢層や家族構成にはさまざまなパターンがありますが、住居の使いやすさにはいくつかの条件が挙げられるでしょう。間取りがシンプルであること、家事動線が確保されていること、室内に多くの段差がないこと等々、ごく基本的な事柄ばかりです。
例えばいくつもの小部屋に細かく区切られた間取りのマンションがあったとして、夫婦二人暮らしや少人数の世帯がそこを選ぶ可能性は低くなることが予想されます。
また実際の暮らしをシミュレーションしたときに、キッチンからダイニングまでが遠くその間に別の部屋を通らなければたどり着けないといった間取りは家事動線が非効率です。
さらに部屋と部屋との間に段差がある状態では、特に高齢の方に転倒などの危険性が高まるでしょう。リノベーションではこうした「暮らしにくさ」を解消する取り組みも重要で、使いやすい間取りは結果として将来的な価値評価に影響する要素となります。
日当たりや風通りの良さを考慮する
採光に配慮して日当たりを確保したり、風通りをよくして通気・換気が十分に行われるようにしたりするのも大切なポイントです。暮らす人にとっての健康上の理由はもちろん、住まいそのものの劣化を抑えるためにも必要な事柄です。
仮に窓が少なかったり小さかったりして日当たりが悪く、風通りも良くない家では湿気がこもりやすく、部屋や構造の見えない部分にもダメージが蓄積します。そのような状態が続くと当然ながら劣化も早まり、価値を大きく下げることになりかねません。
リノベーションではぜひ、日当たりと風通りを考慮した設計に取り組みましょう。
壁や床には質の良い建材を使用する
壁や床についてはリノベーション・リフォームでの改装が可能なため、資産価値に大きく影響することはないとされる部分です。
しかし良質な建材でカスタマイズされた壁や床はそれ自体の価値が評価される可能性もあるため、この点にこだわってリノベーションを行うのも良いでしょう。
例えば壁紙の代わりに珪藻土などの天然素材を用いた塗り壁を備える、フローリングを木目プリントではなく無垢の国産木材で敷く、といったことなどが挙げられます。木材であれば「木曾檜」や「吉野杉」等々、国内産地のブランドに権威があるため、そうした面では訴求ポイントとしても明確です。
まとめ
リノベーションマンションについて、将来的な不動産価値をできるだけ高めるためのポイントを解説しました。
住宅などの資産価値は時間の流れと共にどうしても下がり、やがてはゼロに近付きますが、リノベーションによってどのように新たな価値を付与していくかが重要な課題です。
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